2007年4月9日月曜日

ビジョン読書記

序章

何かを計算する物を作るとき,計算する対象に対して,いくらかの知識を持つ必要がある.

哲学的視点からみた「ビジョン」のアプローチは,心の表象理論の延長を見ること.
(注:表象理論 : 心的過程は内部表象が今現在特定している対象によって特徴付けられ,心的過程はそのような内部表象が獲得される方法と,内部表象が相互に作用しあうことによって特徴付けられる)

人間は3次元物体を,頭の中で徐々に回転させて解析することができる.
たとえば,物体の一致,不一致を問う問題では,物体の3次元回転角の大きさに回答時間が線形に比例する.(角度調整法)


ある神経細胞が反応するとき,動物はある行動をするという現象が確認できる.
→各単一の神経細胞はこれまで考えられてきた以上はるかに複雑で微妙な課題を遂行できる!

=神経細胞は視覚像の輝度を感覚中枢脳に大まかに,そして不正確に再写像するわけではない.
 神経細胞はパターン要素を検出し,物体の奥行きを判別し,変動の不適切な原因を無視する(自動補正)

つまり
単一細胞の活動が,心的操作に含まれるより基本的で信頼性の高い処理過程の雑音を含んだ指標に過ぎないと考えるのはまったく不適当.

→単一の神経細胞の活動が思考を生じさせる.つまるところ,神経細胞の活動自体が思考過程そのものとなる.


続く